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インタビュー

超高齢社会の日本でIFAだからできること | 株式会社継志舎 代表取締役社長 石脇俊司 様

INDEX目次

信託を始めようと思ったきっかけについて教えてください。

以前勤めていた外資系証券会社の上司が、入社当初から信託を勉強しておけというので、
15年ぐらい前から勉強を始めました。その後、その上司が信託会社を立ち上げたので、
そこで富裕層向けのオーダーメイド型の信託の営業をしておりました。

「信託を勉強しておけ」と言われた背景はどういったことからなのでしょうか。

日本は超高齢社会であるのと、高齢者がたくさん資産を持っていることが大きいですね。ちょうど信託に関する法改正もあり、 信託の使い勝手をよくしていこうという流れもありました。
欧米では、信託で財産の管理と承継をするのが当たり前です。
しかし、日本ではほとんど利用されていません。高齢者に資産が偏重する日本において高齢者の資産管理と承継に信託を活用する時が来る、 他がほとんどやっていないからこそ今のうちに勉強しておいたほうがいいよという感じでした。

信託というものを、簡単に教えていただいてもよろしいでしょうか。

信託は、基本的に「資産の管理」と「資産の承継」をする制度です。
遺言は、遺言者が亡くなった時に所有する全資産を誰に相続させるかの意思を示しておくものですが、 亡くなるまでの間は、資産を保有する本人が管理し続けなければなりません。
亡くなるまでの間に資産所有者が高齢により自身で資産管理できなくなると、遺言では資産管理に対応できません。 一方信託は、資産所有者の特定の資産だけを信託することができ、信託された資産(信託財産)については信託の引受け手である受託者が資産管理をしていきます。 また、信託が終了したときには誰に信託財産を承継するかを決めておくため資産承継も可能です。 不動産や未上場企業オーナーの自社株や金融資産の管理と承継に資産所有者の意向に合わせてオーダーメイドに作ることができます。

大手証券会社やメガバンクが信託業に積極的でない理由は何かあるのでしょうか。

信託は、個別性が非常に強いので、多数の店舗がある中での事務をどのよう対応し、そして収益をどのように得ていくのかのイメージが固められていないのかと思います。
証券会社や金融機関が信託の組成をサポートするのは法律や税務など専門家の支援や連携も必要となり難しい面があります。一方、その難しい面をクリアしてもそれだけで、 金融商品の販売につながるわけではないため、短期的に報酬を得るための手段とはなりづらいこともあります。 現時点では、必要性は理解しながらもどのように取り組んでいけばよいのか迷っている、という感じですかね。

起業された背景を教えてください。

以前勤務していた信託会社は、買収され、買収後はそれまでやってきた富裕層に対するオーダーメイドの信託の引受けはしない との経営判断を知らされたため会社を辞める決断をしましたせっかく自分で身に付けたノウハウを無駄にするのはもったいないと思い、 起業しました。
また、ちょうどその頃、民事信託・家族信託(以下、家族信託)が広がり始めていました。身近な家族が受託者となり家族の資産を 管理する仕組みはニーズもあり広がっていくだろうと感じていました。一方、信託会社を経験した者から見ると、結構危なっかしい と感じるものがいっぱいありました。そういう『危なっかしいもの』が広がらないようにサポートし、広く多くの方が利用できる 家族信託を作っていきたいと思い、起業しました。

家族信託にキャリアの重点を置いて起業されたのは、どういうところが一番大きいのでしょうか。

日本の場合、高齢者に資産が偏重しています。寿命が延びるとともに、高齢者は認知症になどで自身で資産管理が できなくなるケースが増えてきます。家族信託で家族が家族の資産を管理する仕組みを作れたら、その資産を有効 に活用することができ、日本の経済にもプラスになると考えました。
特定の商品を売ることによってフィーをもらうのではなくて、お客様の資産をどうするかを一緒に考えてあげると いうことで報酬をもらうのはありなのではないか思ったんですね。特定の金融機関に属さずにそういう関わり方が できる人が増えていくことで、日本の資産の有効活用に貢献するビジネスもありなのではと思っています。
日本では、コンサルティングでフィーが取りづらいですが、弊社はそれでビジネスをしてきました。 是非金融商品の販売による報酬だけでなく、お客様の資産の管理と承継に関するコンサルティングが ビジネスとなればよいなと思っています。そしてIFAの方々にもそのような関わり方をしていただきたいと思います。

御社の事業内容やビジネスについて、お伺いしてもよろしいでしょうか。

会社の社長さん、その一族、地主さんなどに対して信託を作るサポートをすることで報酬を頂くような、 いわゆる信託の組成のサポートについてコンサルティングをやらせていただいています。
あと、家族信託を使って、ビジネスの領域を広げていきたい、さらにはお客さんとの接点をより強くして いきたいと考える不動産会社や金融関係の会社に、家族信託を活用するビジネスモデルの企画、 事務体制や規定整備などの導入支援、職員の方々への研修、ビジネス開始後の個別のサポートなどの コンサルティングをしています。

御社の「トラコム」のサービス内容をお伺いしてもよろしいでしょうか。

「トラコム」は、IFA、会計事務所、保険代理店の方々が、そのお客様の信託について相談に乗り、 信託の組成まではサポートするツールです。弊社がこれまでに実践してきた信託の提案から組成 にいたるまでのノウハウを「トラコム」に集約しています。お客さんの資産管理やアドバイスに関わる多く の方々に使っていただける民事信託のコンサルティングツールです。
具体的には、お客様への提案からニーズ喚起は診断システム、動画、アンケートシステムを使って、 信託の活用が必要と思われる人に簡易に検討を促すことができる仕組みとしています。この仕組みでニーズ喚起 されたお客様の信託を検討し組成まで行っていく過程では組成までの間にいくつかの工程を設けその工程ごとに ガイドを付けた進捗管理システムを提供しています。ガイドに従い進捗管理システムにお客様の情報を入力し ていきながら信託の検討を進めていきます。
家族信託は信託契約を作成することが必要なため、弁護士、司法書士といった法律専門家の方々の関与が必須なため、 システム上で、専門家の方々と案件ごとに連携できるような仕組みとしています。「トラコム」を利用する専門家の 方々を増やして、IFA、保険代理店、会計事務所、法律専門家の連携をたくさん作り、資産管理と承継における ビジネスの輪を作っていきたいなと思っています。
 「トラコム」は、ビジネスを戦略的に仕掛けるということをテーマとしていてて、単純に信託を作るということではなくて、  『トラコム』というプラットフォームを通じて連携を広げることに活用していただきたいと思っていますご自身が得意でない  領域はチームで対応し、連携する方々のマーケットも取込むことでお客様を増やし、資産管理・承継に関するビジネスを   広げていっていただきたいと考えています。  

今後のビジョンを教えてください。

「信託の活用を支援することを通じて、高齢者が所有する資産の有効活用を支援し、それが日本の資産の有効活用 へとつながるような貢献ができたらなと思っています。
弊社の有する「信託のノウハウ」を皆さんにお伝えし、皆さんがお客様に信託の活用を提案しサポートいただくことで、 お客様の資産がより良い形で次の家族に引き継がれる流れを作れば、結果として日本の経済も良くなっていくと考えています。
これを小さな弊社から始まる資産管理と承継におけるレバレッジと社内では言っています。   

IFAの方との提携や取り組みは、どのように考えていらっしゃいますか。

IFAとして、金融資産だけではなくて、お客様の資産全般に関与していただきたいと思っていま。お客様の資産に関する考えはさまざまで 不動産や会社を売却することで得たお金をどうやって運用していくか、という相談もあれば、金融資産の運用ではなくて、不動産を持ちたいという話もあります。
企業オーナーであれば、資産のうちの多くを占める自社株の承継をどうするか?といった悩みもあります。金融資産だけではなく、 お客様の資産に広く関与することを目指していただきたいと思います。
広く関与することで、結果、生命保険や金融商品の売買にもつながりますので、お客様とじっくり対面いただき資産に関していろいろとお話しを聴いていただきたいと思っています。
お客様が所有する特定の資産について、管理と承継に信託というツールを使うことで、お客様の課題を解決することができます。 信託を作る過程ではお客さんの資産背景や資産に関する思い入れや希望をつかむことができます。 その希望を一緒に実現していくことこそ金融商品の販売にとらわれない真の独立したアドバイザーなのではと思っておりそれを目指していただきたいです。
弊社ではIFAの方がビジネスを拡大していく中で、どのように信託を使ったらいいかということを「トラコム」で情報提供していきます。 IFAとして志高くビジネスを進めていかれる方々との勉強会も作っていきたいと思っています。   

経歴

株式会社継志舎
石脇 俊司 代表取締役社長

日本証券アナリスト協会検定会員・CFP・宅地建物取引士資格取得
外資系生命保険会社、日系証券会社、外資系金融機関を経てベルニナ信託株式会社(現在、株式会社FPG信託)に入社。
ベルニナ信託では、企業オーナーや資産家の顧客に対し、オーダーメードな信託を作る営業に携わった。
平成27年民事信託を活用した資産管理、
財産継承のコンサルティングを企業オーナーや不動産オーナーに特化して行うことを志し独立。
平成28年2月株式会社継志舎を設立。
また、一般社団法人民事信託活用支援機構の設立(平成27年)に関与し、現在、同法人の理事を務める。